数学C・複素数平面
複素数平面の公式・用語まとめ
複素数平面では、複素数を平面上の点やベクトルとして扱います。極形式を使うと、複素数の積・商が絶対値の積・商と偏角の和・差に対応します。
FORMULAS
複素数平面の重要公式
公式の使いどころを確認してから、短い例で形を覚えましょう。
複素数の絶対値
\(z=x+yi\) なら \(|z|=\sqrt{x^2+y^2}\)
- いつ使う?
- 複素数を表す点と原点との距離を求めます。
- 短い例
- \(|3+4i|=5\)
- 注意
- 複素数の絶対値は実数で、常に0以上です。
共役と絶対値
\(\overline z=x-yi\), \(z\overline z=|z|^2\)
- いつ使う?
- 複素数の商を整理したり、絶対値の2乗を計算したりします。
- 短い例
- \((2+i)(2-i)=5\)
- 注意
- \(\overline{z+w}=\overline z+\overline w\)、\(\overline{zw}=\overline z\,\overline w\) です。
2点間の距離
複素数 \(\alpha,\beta\) を表す2点間の距離は \(|\beta-\alpha|\)
- いつ使う?
- 複素数平面上の線分の長さや、円の条件を表します。
- 短い例
- 中心 \(\alpha\)、半径 \(r\) の円は \(|z-\alpha|=r\)
- 注意
- 終点から始点を引いた複素数の絶対値を取ります。
極形式
\(z=r(\cos\theta+i\sin\theta)\quad(r=|z|)\)
- いつ使う?
- 複素数を絶対値と偏角で表し、積・商・累乗を簡単にします。
- 短い例
- \(1+i=\sqrt2(\cos\frac\pi4+i\sin\frac\pi4)\)
- 注意
- 偏角は \(2\pi\) の整数倍を加えたものも同じ向きを表します。
極形式の積と商
\(|z_1z_2|=|z_1||z_2|,\ \arg(z_1z_2)=\arg z_1+\arg z_2\)、\(\arg(z_1/z_2)=\arg z_1-\arg z_2\)
- いつ使う?
- 複素数の積・商の絶対値と偏角を求めます。
- 短い例
- 複素数を掛ける操作は、拡大と回転の組合せとして考えられます。
- 注意
- 商では絶対値を割り、偏角を引きます。
ド・モアブルの定理
\(\{r(\cos\theta+i\sin\theta)\}^n=r^n(\cos n\theta+i\sin n\theta)\)
- いつ使う?
- 複素数の整数乗を求めたり、三角関数の関係式を導いたりします。
- 短い例
- \((\cos\theta+i\sin\theta)^3=\cos3\theta+i\sin3\theta\)
- 注意
- 絶対値はn乗し、偏角はn倍します。
複素数による回転
点 \(z\) を原点中心に角 \(\theta\) 回転すると \(z'=z(\cos\theta+i\sin\theta)\)
- いつ使う?
- 複素数平面上の点や図形を回転移動します。
- 短い例
- 90°回転は \(i\) を掛ける操作
- 注意
- 反時計回りを正の向きとして偏角を加えます。
n乗根
\(z^n=r(\cos\theta+i\sin\theta)\) の解は \(z=\sqrt[n]r\left\{\cos\dfrac{\theta+2k\pi}{n}+i\sin\dfrac{\theta+2k\pi}{n}\right\}\ (k=0,1,\ldots,n-1)\)
- いつ使う?
- 複素数のn乗根をすべて求めます。
- 短い例
- \(z^3=1\) の解は単位円上に120°間隔で並ぶ
- 注意
- 異なる解がn個になるよう、\(k=0\) から \(n-1\) まで取ります。
GLOSSARY
複素数平面の重要用語
- 複素数平面
- 横軸を実軸、縦軸を虚軸として複素数を点で表す平面。
- 偏角
- 複素数を表す点への半直線が、実軸の正の向きとなす角。
- 極形式
- 複素数を絶対値と偏角を使って表した形。
- 単位円
- 原点を中心とする半径1の円。絶対値1の複素数全体を表します。
- 1のn乗根
- \(z^n=1\) を満たすn個の複素数。単位円上に等間隔で並びます。
CHECK
よくある間違い
- 複素数の積で、絶対値だけでなく偏角も掛ける。偏角は足します。
- 複素数の商で偏角を足す。商では引きます。
- n乗根を求めるとき、偏角に2πの整数倍を加えず解を1つだけにする。