数学Ⅲ・極限
極限の公式・用語まとめ
極限では、変数や項番号がある値または無限大へ近づくときの振る舞いを調べます。式をそのまま代入して不定形になった場合は、因数分解・有理化・代表的な極限への変形を行います。
FORMULAS
極限の重要公式
公式の使いどころを確認してから、短い例で形を覚えましょう。
数列の極限の計算法則
\(a_n\to\alpha,b_n\to\beta\) なら \(a_n\pm b_n\to\alpha\pm\beta\), \(a_nb_n\to\alpha\beta\), \(\dfrac{a_n}{b_n}\to\dfrac\alpha\beta\ (\beta\ne0)\)
- いつ使う?
- 収束する数列の和・差・積・商の極限を求めます。
- 短い例
- \(\lim_{n\to\infty}(2+\frac1n)=2\)
- 注意
- 商では分母側の極限が0でないことを確認します。
無限大での基本極限
\(\lim_{n\to\infty}\dfrac1{n^p}=0\quad(p>0)\)
- いつ使う?
- 分母の次数が大きくなる数列や関数の極限を求めます。
- 短い例
- \(\lim_{n\to\infty}\dfrac{3n+1}{n}=3\)
- 注意
- 最高次数の項で分子・分母を割ると比較しやすくなります。
等比数列の極限
\(\lim_{n\to\infty}r^n=0\quad(|r|<1)\)
- いつ使う?
- 公比の絶対値が1より小さい等比数列の極限を求めます。
- 短い例
- \(\lim_{n\to\infty}(\frac12)^n=0\)
- 注意
- \(r=1\) は1、\(r=-1\) は振動し、\(|r|>1\) では一般に収束しません。
無限等比級数
\(\sum_{n=0}^{\infty}ar^n=\dfrac{a}{1-r}\quad(|r|<1)\)
- いつ使う?
- 初項 \(a\)、公比 \(r\) の無限等比級数の和を求めます。
- 短い例
- \(1+\frac12+\frac14+\cdots=2\)
- 注意
- 和の公式を使う前に、必ず \(|r|<1\) を確認します。
三角関数の基本極限
\(\lim_{x\to0}\dfrac{\sin x}{x}=1\)
- いつ使う?
- 三角関数を含む0/0型の極限を求めます。角は弧度法で扱います。
- 短い例
- \(\lim_{x\to0}\dfrac{\sin3x}{x}=3\)
- 注意
- \(\dfrac{\sin3x}{x}=3\dfrac{\sin3x}{3x}\) のように形をそろえます。
自然対数の底e
\(e=\lim_{n\to\infty}(1+\frac1n)^n=\lim_{x\to0}(1+x)^{1/x}\)
- いつ使う?
- 指数関数・対数関数の極限や微分へつながる定数 \(e\) を扱います。
- 短い例
- \(\lim_{x\to0}\dfrac{e^x-1}{x}=1\)
- 注意
- 1に近づく底を、無限大に近づく指数で累乗する形に注目します。
対数の基本極限
\(\lim_{x\to0}\dfrac{\log(1+x)}{x}=1\)
- いつ使う?
- 自然対数を含む0/0型の極限を求めます。
- 短い例
- \(\lim_{x\to0}\dfrac{\log(1+2x)}{x}=2\)
- 注意
- ここで \(\log\) は自然対数です。真数が正になる範囲も確認します。
連続性
\(\lim_{x\to a}f(x)=f(a)\) なら \(f(x)\) は \(x=a\) で連続
- いつ使う?
- グラフがその点で途切れずにつながっているかを判定します。
- 短い例
- 多項式関数はすべての実数で連続
- 注意
- 左極限・右極限・関数値の3つが一致することを確認します。
GLOSSARY
極限の重要用語
- 収束
- 数列や関数の値が、ある一定の値へ限りなく近づくこと。
- 発散
- 有限の一定値へ収束しないこと。無限大へ増える場合や振動する場合を含みます。
- 不定形
- \(0/0\)、\(\infty/\infty\) など、その形だけでは極限を決められない状態。
- 無限級数
- 数列の項を無限に足し合わせた式。部分和の極限で収束・発散を定めます。
- 連続
- 極限値と関数値が一致し、グラフがその点で途切れない性質。
CHECK
よくある間違い
- 無限等比級数で、公比の絶対値が1未満か確認せず和の公式を使う。
- \(\lim_{x\to0}\sin x/x=1\) を、度数法の角へそのまま使う。
- 0/0型になった時点で、極限値も0だと判断する。