数学Ⅲ・微分法
微分法の公式・用語まとめ
数学Ⅲの微分法では、多項式以外の関数や合成関数を扱います。外側の関数と内側の関数を見分け、積・商・合成のどの公式を使うか判断します。
FORMULAS
微分法の重要公式
公式の使いどころを確認してから、短い例で形を覚えましょう。
積と商の微分
\((fg)'=f'g+fg'\), \(\left(\dfrac fg\right)'=\dfrac{f'g-fg'}{g^2}\)
- いつ使う?
- 2つの関数の積や商を微分します。
- 短い例
- \((xe^x)'=e^x+xe^x\)
- 注意
- 積の微分を、単純に \(f'g'\) としないようにします。
合成関数の微分
\(\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{dy}{du}\dfrac{du}{dx}\)
- いつ使う?
- 関数の中に別の関数が入っている形を微分します。
- 短い例
- \((\sin x^2)'=2x\cos x^2\)
- 注意
- 外側を微分した後、内側の微分を掛けます。
三角関数の微分
\((\sin x)'=\cos x\), \((\cos x)'=-\sin x\), \((\tan x)'=\dfrac1{\cos^2x}\)
- いつ使う?
- 三角関数を含む関数の導関数を求めます。
- 短い例
- \((\sin3x)'=3\cos3x\)
- 注意
- 余弦の微分にはマイナスが付きます。
指数・対数関数の微分
\((e^x)'=e^x\), \((a^x)'=a^x\log a\), \((\log x)'=\dfrac1x\)
- いつ使う?
- 指数関数・対数関数を含む関数を微分します。
- 短い例
- \((e^{2x})'=2e^{2x}\), \((\log x^2)'=\dfrac2x\)
- 注意
- 合成関数なら内側の微分も掛けます。対数は真数の定義域を確認します。
逆関数の微分
\(\dfrac{dx}{dy}=\dfrac1{dy/dx}\)
- いつ使う?
- 逆関数や、\(x\) を \(y\) の関数として表した式を微分します。
- 短い例
- \(y=\log x\) は \(x=e^y\) より \(dy/dx=1/x\)
- 注意
- 元の微分係数が0でない範囲で使います。
媒介変数表示の微分
\(x=f(t),y=g(t)\) なら \(\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{dy/dt}{dx/dt}\)
- いつ使う?
- 曲線が媒介変数 \(t\) で表されているとき、接線の傾きを求めます。
- 短い例
- \(x=\cos t,y=\sin t\) なら \(dy/dx=-\cot t\)
- 注意
- 分母の \(dx/dt\) が0になる点は別に調べます。
対数微分法
\(y=f(x)^{g(x)}\) なら \(\log y=g(x)\log f(x)\) として両辺を微分
- いつ使う?
- 変数を含む関数が、さらに変数を含む指数に上がっている形を微分します。
- 短い例
- \(y=x^x\Rightarrow y'=x^x(\log x+1)\)
- 注意
- 対数を取るため、まず関数が正である範囲を考えます。
接線と法線
接線:\(y-f(a)=f'(a)(x-a)\)、法線の傾き:\(-\dfrac1{f'(a)}\)
- いつ使う?
- 曲線上の点における接線と、それに垂直な法線を求めます。
- 短い例
- 接線の傾きが2なら法線の傾きは \(-1/2\)
- 注意
- 接線が水平・垂直になる場合は、法線の式を傾きだけで処理しないようにします。
第2次導関数と凹凸
\(f''(x)>0\) なら下に凸、\(f''(x)<0\) なら上に凸
- いつ使う?
- グラフの凹凸や変曲点の候補を調べます。
- 短い例
- \(f''(x)\) の符号が変わる点は変曲点の候補
- 注意
- \(f''(x)=0\) だけでは変曲点と断定せず、前後の符号を確認します。
GLOSSARY
微分法の重要用語
- 合成関数
- ある関数の出力を、別の関数の入力として組み合わせた関数。
- 逆関数
- 入力と出力の対応を逆にした関数。グラフは直線 \(y=x\) に関して対称です。
- 媒介変数
- 曲線上の点の座標を共通に表すために使う補助的な変数。
- 法線
- 曲線上の点で、その点における接線と垂直に交わる直線。
- 変曲点
- 曲線の凹凸が変化する点。
CHECK
よくある間違い
- 積の微分を \((fg)'=f'g'\) とする。
- 合成関数を微分したとき、内側の関数の微分を掛け忘れる。
- \(f''(x)=0\) となる点を、符号変化を調べず変曲点とする。