数学Ⅱ・式と証明
式と証明の公式・用語まとめ
式と証明では、複雑な式を展開・整理し、等式や不等式が常に成り立つ理由を示します。証明では、結論が明らかな形へ変形する方針を立てることが重要です。
FORMULAS
式と証明の重要公式
公式の使いどころを確認してから、短い例で形を覚えましょう。
二項定理
\((a+b)^n=\sum_{r=0}^{n}{}_nC_r a^{n-r}b^r\)
- いつ使う?
- 高い次数の二項式を展開したり、特定の項の係数を求めたりします。
- 短い例
- \((a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3\)
- 注意
- 一般項の指数の和は常に \(n\) です。
多項式の除法
\(A(x)=B(x)Q(x)+R(x)\quad(\deg R<\deg B)\)
- いつ使う?
- 多項式を別の多項式で割った商と余りを表します。
- 短い例
- \(x^3+1=(x+1)(x^2-x+1)\)
- 注意
- 余りの次数は、割る式の次数より小さくなります。
恒等式の係数比較
\(ax^2+bx+c=px^2+qx+r\) が恒等式なら \(a=p,b=q,c=r\)
- いつ使う?
- 文字のすべての値で成り立つ等式から、未知の係数を求めます。
- 短い例
- \(ax+b=3x+2\) が恒等式なら \(a=3,b=2\)
- 注意
- 方程式は特定の値で成り立ち、恒等式はすべての値で成り立ちます。
相加平均・相乗平均
\(\dfrac{a+b}{2}\geq\sqrt{ab}\quad(a,b\geq0)\)
- いつ使う?
- 正の数の和や積が一定のとき、最大値・最小値を求めます。
- 短い例
- \(x+\dfrac1x\geq2\quad(x>0)\)
- 注意
- 等号は \(a=b\) のときに成り立ちます。適用条件も確認します。
差を取る不等式の証明
\(A\geq B\) を示すには \(A-B\geq0\) を示す
- いつ使う?
- 両辺の大小を直接比較しにくいとき、差を平方などの非負な形にします。
- 短い例
- \(a^2+b^2\geq2ab\) は \((a-b)^2\geq0\) から分かる
- 注意
- 最後に等号成立条件も確認します。
3乗の展開と因数分解
\((a\pm b)^3=a^3\pm3a^2b+3ab^2\pm b^3\), \(a^3\pm b^3=(a\pm b)(a^2\mp ab+b^2)\)
- いつ使う?
- 3次式を展開・因数分解して整理します。
- 短い例
- \(x^3-8=(x-2)(x^2+2x+4)\)
- 注意
- 和・差の因数分解では、2つ目の括弧の中央の符号が反対になります。
GLOSSARY
式と証明の重要用語
- 二項係数
- 二項展開に現れる係数 \({}_nC_r\)。
- 恒等式
- 文字にどの値を代入しても成り立つ等式。
- 未定係数法
- 恒等式の係数比較や数値代入によって未知の係数を決める方法。
- 次数
- 多項式に含まれる項のうち、文字の指数が最も大きいものの指数。
- 等号成立条件
- 不等式で両辺が等しくなるための条件。
CHECK
よくある間違い
- 二項展開で組合せの係数を付け忘れる。
- 相加平均・相乗平均を、負の値を含む式へそのまま使う。
- 不等式を示した後、等号成立条件を確認しない。